耐震基準適合証明書について

公開日:2025年03月11日

耐震基準

耐震基準適合証明書は、住宅の耐震基準を満たす証明をする書類です。さまざまなメリットをもたらす証明書ですが、必ず取得できるものではありません。耐震基準適合証明書を取得することで、災害に対する建物の安全が担保されたり、住宅ローンの控除、不動産取得税・登録免許税などの各種税金の減税、地震保険の割引に至るまで税制上も優遇措置を受けられたりします。

本記事では耐震基準適合証明書について解説するとともに、取得することによるメリットや取得方法、注意点についてご紹介します。これから住宅を購入する予定の方や、耐震基準適合証明書を取得予定の方はぜひ参考にしてください。

記事の

耐震基準適合証明書とは?

「耐震基準適合証明書」とは、建物の登記簿上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以前(旧耐震基準)に新築された中古住宅を取得した場合に、建物が新耐震基準に適合していることを証明できる資料のひとつです。耐震基準適合証明書を発行してもらうためには、現行の構造基準(新耐震基準)で耐震性の有無を確認する耐震診断を受けなければなりません。耐震診断では、外回りや壁・床、基礎、屋根裏などを目視や調査器具によって調査し、建物の上部構造評点が4段階評価のうち「一応倒壊しない」に該当する1.0以上と診断されれば、耐震基準適合証明書が発行されます。なお、耐震基準に関する詳細は、以下の関連記事でご確認ください。

なぜ耐震基準適合証明書が必要なのか?

耐震基準適合証明書は、主に住宅ローン控除や登録免許税の軽減など、税金の優遇措置を受けるために必要な書類です。築年数がある程度経過した中古住宅を購入する場合、耐震上の安全性を確認した証明書を取得することが、各税金の優遇措置を受けられる条件のひとつとなっています。また、耐震基準適合証明書を取得することで、売買取引の際にも役立つでしょう。詳しくは後述します。

売主と買主どちらが申請する?

以前まで、申請者は不動産の所有者である「売主」とされており、買主が取得を希望する場合は売主に発行申請を依頼しなければなりませんでした。しかし、現在は「売主」「買主」どちらでも申請可能となっています。発行申請はメリットの多い「買主」がおこなうケースが多く、手続きもスムーズに進められるでしょう。

どこで取得できる?

・建築士事務所に所属する建築士

・指定確認検査機関

・登録住宅性能評価機関

・住宅瑕疵担保責任保険法人

 

国土交通省が指定した一般財団法人などの指定性能評価機関や、建築士事務所に所属する建築士であれば、証明書の発行が可能です。ただし、設計や工事監理を一級建築士のみでしかおこなえない建物の場合は、一級建築士による発行が必要です。

取得のための期間と費用は?

耐震基準適合証明書の取得に要する期間は、約1カ月から3カ月といわれています。耐震診断を依頼してから現地調査を実施するまでにかかる期間は1週間ほどですが、現地調査から耐震診断の結果報告書を提出するまでの期間は1カ月ほどかかります。また、診断の結果、追加工事をおこなう必要があれば約2カ月かかることもあるので、取得まで一定の期間かかることを考慮して依頼するようにしましょう。

費用は耐震診断で10万円前後、証明書の取得で3万円から5万円程度が相場です。売主と買主のどちらが費用負担しても問題ありませんが、住宅購入者である買主が負担するのが一般的です。中古住宅の規模や検査機関ごとに費用が異なるため、取得を依頼する機関に直接問い合わせるようにしましょう。

耐震基準適合証