水道管の引き込みがされてない場合のリスク

公開日:2025年02月23日

コラム

土地を売却する場合、見落としがちなポイントとして地中に埋まっている水道管の引き込みの問題があります。古くから住宅が密集している地域では他の敷地を跨って引き込まれていたり、相続した土地が長いあいだ放置されていたりした場合、現代の生活に合わない状態のままになっているなどのケースがあります。水道管の状況によっては売却がしにくくなってしまうこともありますので、後々トラブルにならないためにも現状を把握しておく必要があります。

材質、引き込み方法、口径など、ケースはさまざま

まず、所有する不動産の水道管の状況を調べる方法について説明しましょう。原則として、水道局に問い合わせるのが一般的です。水道局では管轄地域内の給水装置図面を保管しています。必要あれば調査を依頼することもできます。おさえておきたいポイントは、売却に不利益になる状況、例えば取り替えや引き直しの必要があるかという部分です。

・給水管が鉛管の場合

現在の給水管はステンレス鋼管や塩化ビニール管が使用されているケースが一般的ですが、なかには古い鉛管のままになっていることがあります。鉛管は匂いや味、健康面への影響など、不快に感じる人がいますので、売却時に敬遠される可能性があります。また、老朽化や耐震性の問題によって取り替え工事が必要な場合もあります。

・他人の敷地を跨いでいる場合

水道管は原則として前面道路の本管から敷地内へ真っ直ぐ引き込むことになっています。しかし古くから住宅が密集しているような地域の場合、前面道路に本管がなかったり、引き込み管を数軒でシェアしていたり、他人の土地または自分の土地の下を引き込み管が通っていることがあります。このような場合、漏水事故が起こった場合に隣人トラブルになったり、水圧が不安定だったり、建築に制限がかかる可能性があります。こういったケースの場合、当然売却に不利になりますし、工事も大掛かりになります。

・引き込み管がない場合

長年放置されていた土地などでは、水道の引き込み管自体がない場合があります。新たな所有者が家を建てる場合は、事前に引き込み工事が必要になります。

・口径が13mmの場合

水道管の口径には13mm、20mm、25mmなどの種類があります。古い13mmのタイプは水圧が低く現代の生活にそぐわないので、二世帯住宅など水道使用量が多い場合は20mm以上への取り替え工事が必要になります。

水道の引き込み工事の費用は所有者が負担する

売却において、ここまでに紹介したような水道管の工事が必要な場合の費用は、自治体などの補助がない限り所有者の負担となります。もし、売却する予定の土地に水道管工事の必要があるなら、売却前に工事を実施するか、または想定される工事費用を差し引いて、売り出し価格を設定するのが賢明でしょう。