内覧日当日の会話

公開日:2025年02月14日

column

購入検討者が売出し物件の内覧のために実際に訪れるにあたり、
「部屋の清掃・片付けは準備OK!でも…一体何を話したらいいの?」 となってしまうケースがあります。
よく立会いの不動産会社そっちのけで、次々と物件のアピールポイントを一方的にお話されるオーナーさんもいらっしゃいますが、その効果はどうなのでしょうか?
ここでは購入検討者に「この物件を買いたい」と思っていただけるような、話し方や立ち振る舞い方を紹介します。

物件の説明は不動産会社にお任せしましょう

購入検討者は、実際に物件を見て、物件への理解を深めることが第一の目的です。そのため、正確な情報と的確なアドバイスを専門家である不動産会社から聞きたいと思っています。愛着のあるマンションですから、売主として色々と説明したい気持ちは分かりますが、物件の説明は基本的には不動産会社にお任せしましょう。
ただ、不動産会社が知り得ない事実についての質問があった場合には、答えてあげてください。

また、売主として心得ておきたい重要なこととして、購入検討者に「売り急ぐような姿勢を見せてはいけない」ということがあります。
実際に売り急いでいるかどうかは別として、一生懸命に売り込む姿が購入希望者に映ると「なぜそんなに焦っているのだろう? 物件に何かあるの?」と不安を与えてしまう可能性もありますし、値段交渉においても後手に回ってしまうケースもあります。
上の説明で、売主側が積極的に物件の説明をしないことには、この心の動きを不用意に相手に悟らせないためという理由もあるのです。

売る事情は様々ですが…

特に中古マンションなどを購入される方は、前の入居者がどういった方で、どのような理由で物件を売却するのかを気にされる方もいらっしゃいます。
そのためか、前の入居者がネガティブな理由で売却したがっているよりも、ポジティブな理由で売却を考えている物件の方が人気が出る傾向にあります。
売主の方が、物件を売却する際の理由を全て伝える義務はありません。(物件の瑕疵を原因とする事実は別です)もし売却を考える理由がネガティブなものであれば、そのまま伝えるのではなくポジティブに伝えるようにしましょう。

親近感をもってもらえる話法とは

上の段落で説明したように、購入検討者は前入居者の暮らし方を気にすることが多いです。幸せに生活を送っていたかどうかは人それぞれの価値観により違いますが、一般的には家庭円満で明るく健康的な生活が大半の方々が抱く「幸せの定義」ではないでしょうか?
したがって購入検討者が、売主との会話の中でそういったことを感じられるといいかもしれません。つまり、親近感が湧くように実際に暮らしている様子を中心にして話題にしましょう。
具体的には、子供のこと、子育てのこと、家事のことなど、どちらかというとその家の主となるご主人よりも奥さん側にフォーカスして話すのが秘訣です。
一般的には、ご主人よりも奥さんの方が家にいる時間が長いため、実際に住宅で暮らしていく目線で評価できるのは、奥さんである場合が多いからです。また、こだわりの強さから購入に関して最後の一押しをする決定者も奥さんである場合が多いように感じます。
そのため、売主側のフロントマンは、奥さんに「楽しく暮らせるイメージ」を抱いてもらえるように心がけてください。

内覧が成功するか否かで、契約の行方が決まるといっても過言ではありません。ポジティブな話でスムーズにすすめられるようにしたいものです。